2号への想いを自覚したからと言って、わたしの日々は変わらない。カプセルコーポレーションでガードマンとしての業務を行い、ヘド博士から要請があれば研究の補佐をして、業務時間が終われば家へ帰りヘド博士のお食事の用意をする。
カプセルコーポレーションで働いているうちに、聞きなれない言葉を耳にすることが増えた。『ドラゴンボール』という単語だ。ヘド博士からインプットされている数多のデータベースの中にもその単語は存在せず、インターネットを用いて様々な文献を調べても具体的な答えは出てこなかった。その言葉を使っていたのもブルマ博士の御子息であるトランクスや、まだ幼いブラだ。子供が作り出した想像の一種なのかと思っていたが『何も無かった日』となったあの日の記録を見ていた時、確かにピッコロが『ドラゴンボール』という単語を口にしていたのをわたしの聴覚センサーは拾い上げていた。口ぶりからして、ブルマ博士も既知のものなのだろう。
先日気づいた2号への想いから恋心を知り、ヘド博士の最高傑作といえど、わたしは知らない事がまだたくさんあるのだと思い知る。ドラゴンボールというものがどんなものなのか、疑問を抱きつつもそれをわざわざ聞くのも憚られたまま、時間だけが経っていった。
「失礼します。ブルマ博士。化粧水のサンプルが出来上がりましたのでモニターに回していただけますか?」
「ガンマじゃない、そこに置いておいてくれる? あ、そういえばこの間ヘドが作ってくれた美容液なんだけど、すっごく良いわ! 使い始めてから肌のハリが違うのよ〜!」
「それは良かった。ヘド博士に報告しておきます」
ブルマ博士の近くに置かれている机の上に化粧水のサンプルを置いて踵を返す。部屋から退室しようとすれば、ブルマ博士から声をかけられた。
「そうだ、ちょっとガンマ。ヘドの事呼んできてもらっても良い?」
「分かりました。すぐに呼んで参ります」
ブルマ博士の研究室からヘド博士の研究室へと戻り、ヘド博士にブルマ博士が呼んでいた旨を伝えれば「また無茶な要求じゃないと良いけれど……」と零しながらブルマ博士の研究室へと向かっていくのを見送った。
先ほど持って行ったサンプルとは違う、机の上で出しっぱなしになっていた試作品を棚の中へと仕舞って机の上を片付ける。ヘド博士は現在も多忙の身ではあるが、レッドリボン軍に居た頃のように無茶なスケジュールの催促をされることは減った。以前までは時間に追われるあまり疎かになりがちだった食事も、ヘド博士のお身体のことを顧みて栄養バランスの取れた食事が摂れるように献立を立てて食事を作っている。料理をする事は決して苦ではなかったが、レシピ通りに作るとヘド博士から味付けについてアドバイスをいただくことが何度かあった。
何かをアレンジするのは、2号の方が得意にしていた事だった。目を伏せると視界に青色が映る。首元に巻いた2号のマントだ。思わず手を伸ばし、青いマントに指を添わせる。
ピピ、と通知音が鳴り、ヘド博士から音声通話が開始される。何か急ぎの用事でも出来たのだろうか。
『ガンマ、今すぐブルマ博士の研究室に来れるか? 話したいことがある。多分、おまえも聞いておいた方が良い』
「はっ、すぐに向かいます」
ヘド博士から通信が切れた事を確認して部屋の入口へ振り返る。先ほど渡した化粧水のサンプルに何かあったのだろうか。以前作った美容液についての話か、それとも業務とは関係のない話か。
青いマントから指を離す。一瞬だけ指先を見つめて、ヘド博士とブルマ博士の待っている研究室へと向かった。
「失礼します」
先ほどと同じようにブルマ博士の研究室の中へと入る。化粧水のサンプルを置いた机の上には黄緑色の液晶を備えた丸いレーダーが置かれていた。
「来たわね。じゃあヘド、もう一回説明すれば良い?」
「はい、お願いします」
「ヘドが作ってくれた美容液なんだけどね。私はもちろん、うちの職員やネットの口コミでも評判が良いのよ。化粧水のサンプルについても、モニターに回してからにはなるけど配合している成分諸々を確認したら良い結果が期待出来そうなの。それで、ヘドにはこれからも良い商品を作るために頑張ってもらうとして、ある事をあんたたち……まあ実際にはガンマにお願いしたいことがあって。もちろん、タダじゃないわよ」
「はい、なんでしょうか?」
「あんたたち、ドラゴンボールって知っているかしら」
ヘド博士は首を横に振る。以前までのわたしなら、ヘド博士と同じ反応を返しただろう。
──『ドラゴンボール』。2号と過ごした記録を見返している時に、『何も無かった日』になったあの日にピッコロとブルマ博士が話していた内容の中にあった単語だ。
「……名前だけ知っています」
そう答えれば、ヘド博士とブルマ博士は意外そうな顔をした。
「へえ、どこで知ったの?」
「セルマックスが起動したあの日、全て終わった後にピッコロからブルマ博士へ向けて『あんなことにドラゴンボールを使われるよりは』と話していたのを覚えているからです」
「げっ、そんなこと覚えていたの……まあいいわ。とにかく! ドラゴンボールっていうのはね、鈍く光っていて中に星が一粒から七粒まで入っているボールのことなの。それを七つ集めて呪文を唱えると、神龍……つまり龍の神様が現れてどんな願いでも一つだけ叶えてくれるのよ! ……色々あって今は三つまで叶えられるようになったけど。使った後は世界中に散らばって、一年経つまでただの石っころになっちゃうの」
七つ揃えば何でも願いが叶う玉。そんなものがこの世に存在するとは俄かには信じ難い。そう考えていれば、ブルマ博士が机の上に置いてある丸いレーダーを手に取った。
「これは私が作ったドラゴンレーダー。ドラゴンボールは特殊な電波を発しているから、このレーダーで捜索出来るわ。去年ドラゴンボールを使ったのが六月頃だったから来年の六月からまたドラゴンボールを探さなきゃいけないんだけど、世界中の至る所に散らばっていて、そのままにしておくと変なヤツらに悪い事に使われかねないから、最近は人手を使って集めているのよね〜……そ・こ・で! 願い事をあんたたちに一つ譲ってあげるから、ドラゴンボール探し、やってくれないかしら?」
「えっ……い、良いんですか!?」
ヘド博士が驚愕の声を上げる。ガンマのスペックであれば、レーダーを用いての物品の捜索は世界中を飛び回る事を考慮しても一週間もせずに終えてしまえるだろう。そんなことで何でもひとつだけ願いが叶ってしまうと言う。ヘド博士が驚くのも無理はないだろう。
「ヘドの研究も役立っているわけだし、特別ボーナスってところかしら。まあ、ドラゴンボール探しをやってくれるのが条件だけれど」
「ガ、ガンマ! 来年の六月、ドラゴンボール探しに出動するんだ! いいな!?」
「承知しました、ヘド博士」
ガンマの機体スペックがあれば、世界中を飛び回ることなど造作も無い。エネルギーに関しても、過酷な戦闘を行わない限りはすぐに無くなる事はなかった。いくら世界中に散らばっていると言えど、専用のレーダーがあるのだから探すのに手間取る事もないだろう。
「良かった〜! いつもは人手を使って集めるのはお金がかかるのはどうとでもなっても、時間がかかっちゃうのがイヤだったのよね。ガンマが居てくれて助かるわ〜」
「いいえ、それくらいボクのガンマにかかればお安い御用ですよ。ブルマ博士、話はそれだけですか?」
「ええ、手間取らせちゃってごめんなさいね。もう研究室に戻っていいわよ」
「分かりました。ガンマ、おまえはこの後施設内警備だったよな。先に戻って良いぞ」
「はっ。失礼いたします」
一礼をしてブルマ博士の研究室から退室する。そのまま警備システムにアクセスして監視カメラの映像を確認しながら、館内の見回りを始めた。
本日の夜ご飯はハンバーグをメインにした献立だ。レッドリボン軍に居た頃にレトルト食品でヘド博士が食べていた頻度、現在の家で調理するにあたり食べたいものを聞いた時に高確率でリクエストされることを考慮すれば、ハンバーグはヘド博士の好物のひとつと言えるだろう。それにも関わらず、あまり食事が進んでいない。
レッドリボン軍に居た頃からヘド博士は何かを集中して考え込む時は食事中であっても手が止まることが多々あった。レッドリボン軍では専らセルマックスやガンマの調整に関する事を考えられていた時が多く、カプセルコーポレーションで働き始めてからはあまり見られなくなった癖だった。
ヘド博士がフォークを置きコップを掴んで、水を一口飲む。ゆっくりとコップを置いて、わたしの目を見つめてきた。
「……1号。おまえ、もう一度2号に会いたいと思った事は、ないか」
「え、っ……2号と、ですか」
「今日、ドラゴンボールの話を聞いただろう? その願いを何に使うか考えて……ボクは、叶うならもう一度2号に会いたいと思った。1号は、どう思う」
2号ともう一度会いたいかどうか。ドラゴンボールは、何でも願いを叶えてくれると言う。それは、死者をもよみがえらせる事が出来る可能性があるということ。つまり、2号がよみがえるかもしれない? また2号に会えるかもしれない?
「っ、わた……し、は……」
2号にまた、会える。もう一度2号の姿をこの目で見て、2号の声を聞けるのか。
2号がよみがえったら、また彼はわたしの肩を借りようとするのだろうか。ヒーローポーズの可否をわたしに委ねるのだろうか。些細な見落としを発生させて、またわたしがそれを指摘して。「お堅いな、1号は」と少し不満げにして。
今のわたしと同じようにカプセルコーポレーションでガードマンとして働いて、ヘド博士の食事を作ったり、家事を行って、忙しくも穏やかな日々を過ごして。
──そしてまた、わたしの事が好きだと言ってくれるのだろうか。
「もう一度、2号に、会いたいです」
目頭が熱くなり視界がぼやける。わたしに涙腺の機能は無いと言うのに、まるで人間が落涙する時のような現象に襲われている。
もう一度、2号にわたしの名前を呼んで欲しい。もう一度、わたしに好きだと言って欲しい。そうして、わたしも2号に好きだと伝えたい。ああ、どうして、こんなにも感情が抑えきれない。
「1号…………じゃあ、願い事はもう決まったな。2号をよみがえらせてもらえるように頼もう」
そう言ってヘド博士がフォークを掴み食事を再開する。ヘド博士が食事を中断してしまう程考え込んでいた事は、ドラゴンボールの願い事についてだったのか。
「2号は確かにボクが造った人造人間だけど、それと同時に1号にとってはたった一体の同型機だろう? おまえの了承を得ずに2号をよみがえらせるのは、どうなんだろうって思ってね。2号にもう一度会いたいと1号は思ってくれるのか、少し不安だったんだ」
バターロールを咀嚼しながらヘド博士がぽつりぽつりと話始める。
「そうだったのですね」
「まあ、杞憂に終わって良かったよ。それに、新しい機能も追加したくなったし」
「そ、そうですか……?」
今の会話から、新機能のアイデアがあったのだろうか。見当もつかないが、ヘド博士は楽しそうな顔をしながら食事を続けていた。
レッドリボン軍に居た頃は気にもしていなかったが、この世界には毎月何かしらのイベントが催される。ぐんと気温が上がり人間たちが暑さを感じて薄着をする季節になれば学生たちには長期休みがあり、それから少し涼しくなればハロウィン、雪が降る季節になればクリスマスと、街全体が活気付くイベントが月に一回、二回と続く。それらは日々を忙しく生きる人間たちにとっての楽しみにもなっているのだろう。カプセルコーポレーションでも、イベントごとに合わせてパーティーを開くことがしばしばあった。
「ねえガンマ、何かお菓子作ってよ」
「何故だ?」
「もうすぐハロウィンでしょ? 手作りのお菓子、食べたい」
眼下の小さな女の子──ブルマ博士の娘であるブラもまた、母親に似たのかイベントに敏感だった。まだ幼い彼女は利発な瞳を瞬かせながらこちらを見上げている。
「わたしはパティシエでは無いし、そもそも製菓の経験もない。既製品を買うか、他の人を当たった方が良い」
「でも、ヘドのご飯も作っているんでしょ? ヘドがお弁当食べているの見たことあるもん、あれ作ったのガンマでしょ?」
確かにカプセルコーポレーションに移ってからは調理をする機会は増え、必要な場合はヘド博士のお弁当も作っている。しかし製菓は全くと言って良いほど経験が無い。ヘド博士が食べる甘味の類はレッドリボン軍に居た頃からよく食べているチョコクッキーを始めとした既製品が多いからだ。ヘド博士に頼まれればお菓子も作るだろうが、自発的に作りたいのかと聞かれれば、必要が無いのなら作ることはないと答えるだろう。
「じゃあ来週までに何か一個作れるようになってきてよ。お願い!」
「いや、わたしは」
「おねがい~!」
「……はぁ」
両手を合わせて必死にねだってくる。相手が子供だからということも相まって、すげなく断るのも憚られた。何よりカプセルコーポレーションの社長令嬢であるブルマ博士の娘からの頼みを、いち従業員であるわたしが断れるはずもない。
「……分かった、試作してみよう。来週、持参する」
きっとわたしから折れないと彼女は納得してくれないだろう。了承の旨を伝えれば、ブラは顔を綻ばせて笑みを浮かべる。
「本当!? ありがとうガンマ!」
嬉しそうに破顔し、満足したのか会話を切り上げて走り去って行くのを見送る。少しワガママを見せるところは母親に似ているな、と思った。
子供のワガママに振り回されると、2号が居た頃を思い出す。2号もよくわたしやヘド博士にワガママを言っていた。首元に巻いたマントに触れる。在りし日を思い出しながら、館内の警備のために歩き始めた。
「美味しい! ガンマ、すごい!」
「ヘド博士の最高傑作だからな」
ブラと約束をしてから最初に迎える週末。お菓子作りに使う材料を購入して持参し、ブルマ博士のお家にあるオーブンをお借りして焼いたチョコチップクッキーをブラは美味しそうに頬張り喜んでいる。お菓子を作ったのは今回が初めてだったが、レシピでの分量が正確な分、ご飯の調理よりも製菓の方がわたしには向いているようだ。
「あーあ、ガンマはお菓子もすぐに作れて良いなぁ~。ブラはまだキッチンにも立たせてもらえないのよ。来年のバレンタインにチョコ作りたい~!」
クッキーを食べる手を止めて、ブラは不満そうに声を上げる。
「バレンタイン……聖ヴァレンタインが処刑された日だったか。今は愛を祝う日としてチョコレートや花を贈る日のはずだが」
「そう! ブラはね、バレンタインにチョコレートを作りたいの! でもね、ママがまだ早いわよって言うの。ブラにだって好きな人ぐらいもういるのに!」
頬を膨らませて怒りを露にしたかと思えば、クッキーを食べて顔を綻ばせる。ころころと表情が変わって忙しない。
好きな人。バレンタインは互いを愛する二人の愛を確かめあう日としても、恋をする人間が好きな人へ告白をする日としても親しまれていたはずだ。
「ガンマには好きな人っている?」
「わたしは……」
尋ねられて、自分が好きだと思うひとの顔を思い浮かべる。好意としての感情であれば、ブルマ博士を始めとしたカプセルコーポレーションに在籍している人間たちには親愛を持って接している。だが、彼らに対して個別に特別な情を抱いているかと言われれば否と答えるだろう。あくまでも職場で接する人間であり、一人を特別視することはない。
ならば、ヘド博士はどうだろうか。ヘド博士に対しては敬愛の念を抱いていて、己の創造主として彼の命令に従い、敬う気持ちはある。だが、果たして彼の特別な存在になりたい、という感情がわたしにはあるのだろうか。そもそも、わたしはもう既に彼にとって特別な存在のはずだ。何故なら、わたしと2号はヘド博士の最高傑作なのだから。
──ガンマ2号。唯一、わたしが自分の意思で傍に居たいと願い、惹かれてやまないひと。この結論から推察するに、わたしの『好きなひと』は2号になるのだろう。
「……すまない、そろそろヘド博士の元へ戻らねばならない」
「えっ、もうそんな時間なの? クッキー美味しかったわ、ありがとうガンマ」
「いいや、わたしも良い経験になった。それでは失礼する」
机の上に置いていた、簡素にラッピングを施したチョコチップクッキーを手にして退室する。ブルマ博士に一言声をかけて、ヘド博士の待つ家に向かうために外に出た。
ブラへ渡すためのお菓子作りは滞りなく終わった。正確な分量を計ることはガンマならば出来て当然であるし、誰かのために黙々と調理をすることは嫌いではない。
ブラと話したことを思い返す。彼女は、バレンタインにチョコレートを作りたいと言った。好きな人もいるらしい。手作りのチョコレートを用意して好きな人に渡し、告白をしようと考えているのだろうか。
好きなひと。先ほども考えていたことだ。2号のことが好きだったと先日自覚して、ブラからの「好きな人っている?」という無邪気な問いに対して、2号が好きなひとだと思ってしまった。
ドラゴンボールを使って2号が戻ってきたら、彼はまたわたしに好きだと言ってくれるのだろうか。いいや、彼を好きだと自覚したのだから、わたしから伝えるべきか。伝えるとしても、どうやって。
カサ、と手元にあるクッキーの入った袋が音を立てる。意図せず袋を強く握ってしまったらしい。中のクッキーは割れていないか確認したが、袋の上の方を握っていたからか割れていないようだ。クッキーの中に入ったチョコチップを見てバレンタインの存在を思い出す。ブラにはまたお菓子を作って欲しいと言われた。きっとこれから、お菓子を作る機会が増えるのだろう。
ならば、バレンタインの日にチョコレートを使ったお菓子を作って、2号に渡して想いを告げるのはどうだろうか。そんなイベントに合わせなくても好きだと伝えることは出来るのだろうが、2号はイベント事が好きな男のはずだ。
2号は驚くだろうか。それとも、喜んでくれるだろうか。2号に想いを告げることは不思議と怖いとは思わなかった。そんなことでわたしと2号の関係が変わるとも思えなかったし、2号から伝えられていた好意を返すことが出来るかもしれないのだ。悪い結果にはならないのではないかと考えてしまう。
そんなことを考えていれば、家の前を通り過ぎそうになった。このようなことは今までなかったというのに、物思いに耽っていたからか気が付かなかった。
手元にあるクッキーはヘド博士へのお土産だ。お菓子を作って欲しいとブラから頼まれた旨を博士に報告した際、わたしたちに支給されている家にある電子レンジにはオーブン機能がついていないことを伝えられたのだ。ヘド博士がブルマ博士にその旨を話すと、ブルマ博士の家にあるオーブンレンジを自由に使って良いと許可が降りた。
そこまでしなくても、と思ったのだが、ヘド博士にわたしの作ったお菓子を食べてみたいと言われてしまい、断る理由も思いつかず今日を迎えたのだった。
家の鍵を開ければ、ヘド博士からおかえり、と声をかけられた。
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